

「猫のエサの与え方、何を選べばいいの?」「量や回数はどうすればいいの?」そんな悩みを抱える猫の飼い主さんも多いのではないでしょうか。愛猫の健康を左右する大切な問題だけに、不安になるのも当然です。
この記事では、猫のエサの与え方について、初心者の方にも分かりやすく解説します。エサの種類や選び方、適切な量と回数、栄養バランス、そして複数の猫への与え方まで、幅広くカバーしています。
さらに、食欲不振やエサを吐く場合の対策、与えてはいけない食べ物についても詳しく説明しています。この記事を読むことで、愛猫に最適なエサの与え方が分かり、健康的な食生活をサポートできるようになります。
猫のエサの与え方に関する悩みを解消し、愛猫との幸せな毎日を過ごすためのヒントがきっと見つかるはずです。ぜひ最後までお読みください。
クリックできる目次
1. 猫エサの種類と選び方
1.種類
愛猫の健康を守るためには、適切な食事を与えることが重要です。猫餌には様々な種類があり、それぞれ栄養素や特徴が異なります。大きく分けて4種類ありますので、簡単に説明します。
1. 総合栄養食
総合栄養食は、猫が必要とするすべての栄養素をバランスよく含んでいる食事です。これだけで猫の健康を維持するために必要な栄養を摂取できるように作られています。ドライフードやウェットフードの形態があり、子猫、成猫、高齢猫など、ライフステージに応じた製品が揃っています。
2. 療法食
療法食は、特定の健康問題を持つ猫のために獣医師の指導のもとで与える特別なフードです。例えば、腎臓病、尿路結石、アレルギー、肥満などの症状に対応するために、特別な成分や栄養バランスが考慮されています。
3. その他の目的食
その他の目的食には、特定の目的のために設計されたフードが含まれます。例えば、毛玉対策フード、デンタルフード(歯の健康を保つためのフード)、皮膚や被毛の健康をサポートするフードなどがあります。これらは特定のニーズを持つ猫に適しています。
4. 間食(おやつ)
間食は、猫のトレーニングやコミュニケーションの一環として与えることが多いです。栄養バランスは総合栄養食ほどではありませんが、猫に喜ばれる味や食感を持っています。適切な量を守り、与えすぎないように注意することが重要です。

“総合栄養食だけで十分だって?でも時々はご褒美が欲しいにゃ〜。おやつちょうだい!”
※猫エサの種類についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
【猫エサ種類】初心者必見!知っておきたい4つの基本タイプ※間食(おやつ)についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
【驚愕!】猫用おやつで築く深い絆の5ステップ2.選び方
1.原材料と栄養バランス
信頼できるペットフードメーカーは、AAFCOやFEDIAFの栄養基準に準拠し、ペットに必要な栄養素がバランスよく含まれていることを保証します。高品質のペットフードは、新鮮で信頼できる原材料を使用し、具体的な肉や魚の種類が明記されています。たんぱく質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどが適切に配合されているか確認しましょう。ただし、原材料だけを基準にエサを選ぶのは避け、猫にとっての栄養バランスを重視しましょう。
※原材料について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
【愛猫の健康は原材料次第!キャットフード選びの極意】2.科学的根拠に基づいた製品開発
信頼できるペットフードメーカーは、科学的研究に基づいて製品を開発しています。以下の要素が重要です
- 獣医師や動物栄養学者との協力: 専門家との連携によって、科学的に裏付けられた製品が提供されていること。
- 臨床試験の実施: 製品の効果と安全性を確認するための臨床試験が行われていること。
開発のために多くの研究費や人件費がかかり、高価ですが、科学的根拠に基づいて作らているかは、選ぶ上で重要な要素です。
3.製造元の信頼性
製造元が信頼できるかどうかも重要なポイントです。ペットフード公正取引協議会(PFFTA)に所属しているメーカーや、定期的に製造工場を視察しているメーカーは信頼性が高いといえます
4.ブランドの評判
他の飼い主の口コミや評判も参考にすると良いでしょう。多くの飼い主が満足している製品は、信頼性が高い可能性があります。
5.獣医師の推奨
獣医師はペットの健康に関する専門知識を持っているため、彼らの意見を参考にすることは有益です。特に、療法食などは獣医師の指導のもとで選ぶことが重要です。
6.価格と食いつきの観察
キャットフードは質も嗜好性も両方大事です。信頼できるメーカーが見つかったら、購入可能な価格帯を検討しましょう。高価なフードが猫の口に合うとは限りませんが、あまり低価格なフードは質が落ちる可能性があります。低価格ではないフードを選び、その中からフードをいくつか試し、好みのフードを探っていきましょう。

“科学的根拠って難しそうだにゃ。でも私の健康のために頑張って選んでくれてありがとうにゃ!”
※猫エサ選びについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
初心者必見!【猫エサ選び方まとめ】健康を守るための賢いフード選びとは3.手作り食の是非
飼い主は、愛猫への愛情や、市販のフードの味気無さ、猫の健康状態への不安、食へのこだわり、猫とのコミュニケーションなど、様々な理由で、手作り食を与えていると思います。下記に手作り食のメリットデメリットを書きましたので参考にして下さい。
メリット | デメリット |
添加物や防腐剤を避けられる | 必要な栄養素をバランスよく含むのは難しい |
新鮮な肉や野菜を使用できる | 毎日バランスの取れた食事を準備するには多くの時間と労力が必要 |
特定のアレルゲンを避けられる | 高品質な材料を使用すると費用がかさむ |
さまざまな食材や調理方法を試せる | 適切な栄養バランスを保つために獣医師の指導が必要 間違った食事が健康問題を引き起こす可能性がある |
保存期間が短く、適切に保存しないと食中毒のリスクがある |
結論としては、総合栄養食のように全ての栄養を満たした手作りご飯を作るのは難しく、健康被害を起こす恐れがあります。猫には食べると健康を害する食材が多々あり、栄養学を学んだ上でないと、手作り食は危険が多いと思います。

2. 適切な量と回数
1.与える量
飼い猫に与えるエサの量は、健康維持のカギ。少なすぎれば栄養不足に、多すぎれば肥満のもとに。だから、ぴったりの量を知ることが大切です。フードのパッケージには給与量が記載されていますが、あくまでも目安で、年齢や運動量などで、与えるフードの量は異なってきます。下記には、簡単な計算方法を示しますので、参考にして下さい。
1.猫の体重を把握する
まず、猫の体重を正確に測定することが重要です。体重に基づいて必要なカロリー量を計算します。
2.1日に必要なカロリーを計算
- 成猫の場合:体重(kg) × 30 + 70 = 1日の必要カロリー(kcal)
- 子猫や活発な猫:体重(kg) × 40 + 70 = 1日の必要カロリー(kcal)
3.エサのカロリー表示を確認
エサのパッケージには、カロリー含有量が記載されています。(例)100gあたり350kcal
4.必要カロリー÷エサのカロリー(100g当たり) × 100 = 1日の適量(g)
具体例
例えば、4kgの成猫ちゃんの場合:
- 体重:4kg
- 必要カロリー:4 × 30 + 70 = 190kcal
- エサのカロリー:350kcal/100g(仮定)
- 1日の適量:190 ÷ 350 × 100 ≈ 54g
つまり、この猫ちゃんの場合、1日約54gのエサが適量ということになります。
あくまで簡易的な計算方法です。
※フードの量や、もっと詳しい計算方法を知りたい方は、下記の記事をご覧下さい。
【猫のフード量計算】1日あたりの適切な量を知ろう!体重別フード量ガイド【具体例付き】
2.回数
猫のフードの回数は、ライフステージや活動レベルによって、変わってくるとは思いますが、基本的には2~4回くらいを推奨します。出来るのであれば、小まめにあげることで、以下のようなメリットがあるので、4回くらいを考えましょう。
1.肥満予防
猫は本来、少量ずつちょこちょこ食べる習性があります。1回の食事量が多いと、食べ残しが多くなり、それが肥満の原因になります。適切な回数の餌を与えることで、1回の食事量を減らし、肥満を予防することができます。
2.吐き戻し防止
猫は、空腹時に一気に食べ過ぎて、吐いてしまう。また、空腹時の胃酸の出すぎで、気持ち悪くて吐いてしまうということがあります。小まめに、適切な回数の餌を与えることで、空腹の時間を減らし、吐き戻しを減らすことができます。
3.朝方に、エサをねだり、起こしてくる回数を減らす
猫は明け方に活発に動く動物です。フードをあげる間隔が長くなると、空腹やストレスが原因で、朝方に飼い主を鳴いて起こすことが多くなります。適切な回数の餌を与えることで、空腹感を減らし、ストレスを軽減することで、朝方に起こされる回数を減らすことができます。
朝早く起きるのはつらいという方に、おすすめするのが、自動給餌機です。時間をセットするだけで、その時間にエサを出してくれるので、飼い主にも愛猫にもメリットがあります。
※一度決めた時間は守るようにしましょう。規則正しく与えることで、食事の時間が習慣化してきます。

「朝方に起こしちゃってごめんにゃさい。でも、自動給餌機があれば、僕も人間さんも幸せになれるにゃ〜」
※フードの回数についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
猫の健康は食事から!【初心者向け】猫の食事回数、迷ったらコレをチェック!3.季節ごとの食事量の調整方法
猫にエサを与える際、季節ごとの変化に応じて食事量を調整することは重要です。以下に、季節ごとの食事量の調整方法を説明します。
1.春・秋
- 比較的穏やかな気候のため、通常の食事量を維持します。
- 季節の変わり目で体調を崩しやすいので、食欲の変化に注意を払います。
2.夏季
- 梅雨時から夏場にかけて、フードが悪くなりやすいので、食中毒に注意しましょう。
- 水分補給を促すため、ウェットフードの割合を増やすことを検討します。
- 涼しい時間帯に少量ずつ、食べ残しがないよう食事を与えるなど、タイミングを工夫します。
3.冬季
- 体温維持のためのエネルギーが必要なので、食事量を少し増やします。
- ドライフードの割合を増やすと、より多くのカロリーを摂取できます。
- 暖かい場所で食事を与えると、食欲が増進する可能性があります。

3. 栄養バランスの確保と水分摂取の重要性
1.栄養バランスの確保
猫の健康を維持するためには、適切な栄養摂取が必要です。猫は肉食動物であり、特定の栄養素が健康維持に不可欠です。総合栄養食には猫が生きる為に必要な栄養素が含まれています。
1.主要な栄養素
5大栄養素 | 主な働き |
---|---|
タンパク質 | 筋肉の成長や修復、免疫機能の強化、酵素やホルモンの合成に必要。 |
脂肪 | 主なエネルギー源として利用。脳や神経系の機能維持、運動時のエネルギー供給。 |
炭水化物 | エネルギー源として利用されるほか、体温調節や細胞の構築、脂溶性ビタミンの吸収に必要。 |
ビタミン | 免疫機能の維持、細胞の健康維持、代謝反応の促進など、様々な役割を果たす。 |
ミネラル | 骨や歯の形成、体内の機能維持、酵素やホルモンの正常な機能に必要。 |
2.必須栄養素
必須栄養素とは、人間や動物が健康を維持するために必要な栄養素のことです。体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。これには、必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどが含まれます。これらの栄養素は、成長、発育、代謝、免疫機能など、体の機能を維持するために重要です。
以下が必須栄養素とその特徴です。
必須栄養素 | 特徴 |
---|---|
必須アミノ酸 | タンパク質の構成要素であり、身体の成長や修復、免疫機能の維持などに重要。 アルギニン・ヒスチジン・イソロイシン・ロイシン・リジン・メチオニン・フェニルアラニン トレオニン・トリプトファン・バリン・タウリンの11種類。 |
必須脂肪酸 | 体内で合成できない脂肪酸。細胞膜の構成要素であり、ホルモン合成、神経機能、炎症調節などに必要。 オメガ-3脂肪酸…α-リノレン酸・EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸) オメガ-6脂肪酸…リノール酸・γ-リノレン酸・アラキドン酸 |
ビタミン | 体内での生理的機能をサポートし、代謝、細胞成長、免疫機能、視力、骨の健康などに関与。水溶性ビタミン(ビタミンC、ビタミンB群)と脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の両方が含まれ、各ビタミンは異なる役割を果たす。 |
ミネラル | 骨、歯、筋肉、神経などの機能維持に必要。カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、ヨウ素など、体内で微量から必要な量が存在するミネラルが含まれる。水分バランスの調整、酵素活性化、骨形成、血液の酸塩基バランスの維持などに関与。 |
水 | 体内で最も重要な成分の一つ。細胞の構成要素であり、体温調節、栄養輸送、代謝産物の排泄、消化などに必要。日々の水分摂取は体内の機能を正常に保つために重要であり、水分不足は脱水症状や体の機能低下を引き起こす可能性がある。猫に必要な1日の水分量は体重1kgあたり50ml。 |

“必須栄養素がたくさんあるにゃ〜。私の体のために、人間さんが頑張って選んでくれてありがとうにゃ!”
※栄養素について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
【愛猫長生き術】必要な栄養素を知り、猫の健康を守ろう2.成分表示の読み方
1.パッケージ表示の基本
まず、キャットフードのパッケージには「商品名・猫用」と明示されていることを確認しましょう。これにより、愛猫に適したフードであることがわかります。次に、「目的」の表示をチェックします。目的は「総合栄養食」「間食」「療法食」「その他の目的食」のいずれかです。特に「総合栄養食」は、これだけで猫の健康を維持できるように栄養バランスが整っています。
2.成分表示のチェック
成分表示には、たんぱく質や脂肪、水分などの重量比が記載されています。たんぱく質・脂肪は「○%以上」、繊維質・ミネラルは「○%以下」として記載されています。高タンパク質なフードを選ぶためには、動物性タンパク源(肉、魚介類など)が最初に記載されていることを確認しましょう。
3.その他の情報
- 内容量: フードの正味量がグラム(g)やミリリットル(ml)で表示されています。
- 原産国名: 最終加工工程を行った国が記載されていますが、原材料の産地を意味するものではありません。
- 事業者名および住所: 製造・輸入・販売業者の名称と住所が記載され、問い合わせやクレーム対応のために重要です。
- 給与方法: ペットの体重や年齢、活動レベルに応じた1日の推奨給与量や回数が示されています。新しいフードに切り替える際の方法や注意点も記載されています。
- 賞味期限: 未開封の状態で品質が保たれる期限が示されています。
※パッケージの読み方について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
【愛猫の健康を守るために】キャットフードパッケージの読み方と保存方法を徹底解説!3.水分摂取の重要性

猫の体は約60%が水分で構成されています。この水分は、体温調節、栄養素の運搬、老廃物の排泄など、さまざまな生命活動に関与しています。
猫はもともと砂漠地帯で暮らしていたため、腎臓機能が非常に優れており、体内で水分を効率的に再利用することができます。そのため、他の動物に比べて水を飲む量が少ない傾向があります。
しかし、成猫で体重1kgあたり約50ml、子猫の場合は約70mlの水分を毎日摂取することが推奨されています。
1.ウェットフードとドライフードの水分量
・ドライフード: 約10%
・ウェットフード: 約70~80%
ウェットフードの方が圧倒的に水分量が多いため、水分補給を重視する場合はウェットフードを選ぶのも有効です。
2.水分摂取量を増やす方法
・ウェットフードを与える: ウェットフードは水分量が多いため、水分補給に効果的です。
・常に新鮮な水を用意する: 水は毎日取り替え、清潔な容器に入れましょう。
・複数の水飲み場を用意する: 家の中に複数の水飲み場を設けることで、猫が水を飲む機会を増やします。
・水飲み場の場所を変える: 静かで、猫が落ち着いて飲める場所に水飲み場を置きましょう。
・フードに水を加える: ドライフードに水を加えて与えると、水分摂取量を増やすことができます。
・ウォーターファウンテンを使用する:
流れる水を好む猫も多いため、ウォーターファウンテンを使用すると飲水量が増えることがあります。
4. フードの賞味期限と保存方法
フードの賞味期限
1.ドライフード
・未開封: 1年~1年半
・開封後: 約1ヶ月
2.ウェットフード
・未開封: 2年~3年
・開封後: 当日のうちに使い切るのが良い
フードの保存方法
1.ドライフード
・湿度が高い場所を避ける: 高温多湿な場所は避けて、冷暗所で保管します。キッチンの下や洗面所は湿度が高い ため、冷蔵庫や床下収納、食器棚などの冷暗所が適しています。
・直射日光を避ける: 直射日光の当たる場所に置かないようにしましょう。日光に当たるとキャットフードが酸化しやすくなります。
・温度変化の少ない場所で保管する: 1日の温度変化が少ない場所で保存することが大切です。冷蔵庫は扉の開け閉めで結露が生じ、湿気やカビの原因になるため避けましょう。
・開封後は空気に触れないよう密閉して保存: 開封後のドライフードはなるべく空気に触れないように密閉保存が基本です。保存用袋止めクリップやジップロックを使って袋の口をしっかり閉めましょう。また、小分けにして真空保存する方法も効果的です。
2.ウェットフード
・冷蔵庫で保管する: 開封後のウェットフードは必ず冷蔵庫で保管しましょう。別の器に移し替えて保存することをおすすめします。
・翌日までに食べきる: 開封後のウェットフードは翌日までに食べきることを目指しましょう。風味が落ちるため、できるだけ早く消費することが大切です。

“賞味期限って大事にゃ!人間さん、古くなったフードは絶対にあげないでにゃ〜。”
※フードの賞味期限と保存方法について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
【知らないと危険!】キャットフードの保存方法&期限の基本ルール5.食器と自動給餌機の選び方
1.食器の選び方

猫にとって、食事は大切な生活習慣の一つです。しかし、せっかくの食事も、食器選びを間違えると、愛猫にとってストレスになってしまいます。猫の餌を与える際に適切な食器を選ぶことは、猫の健康と快適さを保つために重要です。以下に、猫の食器選びにおいて考慮すべきポイントをいくつかご紹介します。
1.材質の選択
・ステンレススチール: 耐久性があり、錆びにくく、清潔に保ちやすいです。また、アレルギーを引き起こしにくい材質でもあります。
・陶器: 重さがあり、食事中に滑りにくいです。デザインも豊富でインテリアに合わせやすいですが、落とすと割れるリスクがあります。
・プラスチック: 軽くて取り扱いが簡単ですが、傷がつきやすく、細菌が繁殖しやすい場合があります。また、一部の猫はプラスチックアレルギーを持つことがあります。
2.形状とサイズ
・浅いボウル: 猫のひげが食器に触れないように、浅いボウルが適しています。ひげストレスを防ぐために重要です。
・広い底面: 底面が広いと安定しやすく、食事中にひっくり返りにくいです。
・適切なサイズ: 猫の体格や食事の量に合わせたサイズを選びましょう。過度に大きいと食事が散らかりやすく、過度に小さいと食べにくいです。
3.高さの調整
高齢の猫や関節炎を持つ猫には、少し高さのある食器を使用することで、食事中の首や関節の負担を軽減できます。
※食器の選び方についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
猫の食事は食器から!【種類別】メリット&デメリットを徹底解説2.自動給餌機

現代社会における猫との暮らしにおいて、仕事や外出などで長時間家を空ける機会も増えています。そんな時、強い味方となってくれるのが、自動給餌器です。
自動給餌器は、あらかじめ設定した時間に、決まった量の餌を自動的に猫に与えてくれる優れもの。留守番中の猫の餌やりを心配することなく、安心して外出することができます。
1.自動給餌機の利便性
・時間の節約: 忙しい日常生活の中で、毎日の餌やりを自動化することで、時間を大幅に節約できます。
・量の調整: 多くの自動給餌機は、餌の量を調整できる機能を備えており、過食や肥満を防ぐのに役立ちます。
・定時給餌で生活リズムを整える:決まった時間に食事を提供し、猫ちゃんの健康的な生活リズムを維持
朝方の空腹による鳴き声を減らす
・留守中も安心:出張や旅行時でも、定期的な給餌が可能。
・防災対策:外出時に愛猫と、別々で被災し、すぐに自宅に帰れない時でも、エサの心配はない。
2.自動給餌機の選び方
1.容量
・小型猫や1匹飼い: 2-3リットル程度
・大型猫や複数飼い: 5リットル以上
2.給餌回数と時間設定
・1日4-6回程度の給餌が可能なものが理想的
・細かい時間設定ができるモデルを選ぶと便利
3.電源タイプ
・コンセント式: 安定した電力供給
・電池式: 停電時や電源のない場所でも使用可能
4.追加機能
・音声録音: 自分の声で猫ちゃんを呼べる
・カメラ付き: スマホで猫ちゃんの様子を確認
・アプリ連動: 外出先からでも設定変更可能
自動給餌機を導入する際は、猫ちゃんの性格や生活スタイルに合わせて選んでください。最初は少し戸惑うかもしれませんが、多くの猫ちゃんはすぐに慣れて、規則正しい食生活を楽しむようになります。

“自動給餌器?人間さんがいなくても食事が出てくるなんて、魔法みたいだにゃ!”
※自動給餌機についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい
猫の食生活をサポート!【自動給餌器】で飼い主も猫もハッピーに6. 食欲不振やエサの拒否への対策

愛猫がご飯を食べてくれないと、心配ですよね。猫がご飯を食べない理由は様々考えられますが、まずは原因を特定することが大切です。ここでは、猫がご飯を食べない理由と、それぞれの対応策についてご紹介します。
1.フードが嫌い、飽きた
猫はもともと偏食傾向が強い動物です。特に、ずっと同じフードを与え続けていると飽きてしまうことがあります。
対応策:
・フードの種類を変えてみる
・ドライフードとウェットフードを混ぜてみる
・フードを温めてみる
・フードにトッピングしてみる
2.食事環境の問題
食事場所がトイレの近くにある、周囲が騒がしいなどの環境では、猫が警戒してご飯を食べないことがあります。
対応策:
・食事場所を静かで落ち着ける場所に移す
・食器を清潔に保つ
・複数匹の猫がいる場合は、それぞれに食器を用意してあげる
3.ストレスや不安
引っ越しや新しい家具の設置など、環境の変化によるストレスが原因で食欲不振になることがあります。
対応策:
・猫が安心して過ごせる隠れ家を用意する
・静かな場所での食事を提供
・遊び相手になってあげる
4.健康問題
歯の問題(歯周病、歯石、口内炎など)、消化器系の問題(胃腸の不調、便秘など)、感染症(風邪、ウイルス感染など)、慢性疾患(腎臓病、糖尿病など)などの病気が原因で食欲不振になることがあります。
対応策:
・獣医さんに相談し、健康チェックを受ける
・処方された薬がある場合は、指示通りに与える
・食べやすい柔らかいエサに一時的に変更する

“同じフードばっかりじゃ飽きちゃうにゃ。たまには新しい味も試してみたいにゃ〜。”
※エサを拒否する理由解決策策について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
【7つの原因】愛猫がエサを拒否?解決法と注意点7.エサを吐く場合の対策
愛猫がエサを吐いてしまうのは、飼い主さんにとって心配な症状です。以下に、猫がエサを吐く主な理由とその対応策をご紹介します。
1.早食いや丸呑み:

猫は食事を丸呑みすることがあり、胃の中に空気が入って吐き気を催すことがあります。食事をゆっくり食べさせることで改善できます。
対応策:
・小分けにして少量ずつエサを与える
・自動給餌器を使って時間をかけてエサを出す
・食べる速度を抑えるために、専用のフードボウルを使用する
2.毛玉
猫は毛づくろいの際に毛を飲み込んでしまい、それが胃の中で毛玉となって吐き出されることがあります。
対応策:
・定期的なブラッシングで余分な毛を取り除く
・毛玉対策用のフードやおやつを与える
3.食物アレルギー
特定の食材に対するアレルギー反応
対応策:
・獣医さんと相談し、アレルギー検査を受ける
・低アレルゲンフードや消化に優しいフードを選ぶ
4.病気
消化器系の病気、腎臓病、糖尿病などの病気が原因で嘔吐することがあります。
対応策:
・獣医師の診察を受け、必要な治療を行う
・定期的な健康チェックを行い、問題がないか確認する
・消化器系のサポートフードを与える
※エサを吐く場合の対策について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい
【必見】猫が吐くのはなぜ?【9つの原因と対策法】繰り返す嘔吐を今すぐストップ!8. 健康問題への対応と肥満予防
猫は人間と同じように、様々な病気にかかります。病気によっては、食事療法が症状の改善や予防に役立つことがあります。ここでは、代表的な病気におけるフードの選び方についてご紹介します。
1. アレルギー
猫にも食物アレルギーが存在し、特定の食材が原因で皮膚のかゆみや消化不良を引き起こすことがあります。一般的なアレルゲンには鶏肉、牛肉、魚、大豆、乳製品などが含まれます。
1.アレルゲンの特定
獣医師の診断: 猫の症状がアレルギーによるものかどうかを確認するために、獣医師に相談します。アレルギー検査や食物除去試験を行うことが一般的です。
2.低アレルゲンフードの選択
・療法食:タンパク質を小さく分解(ハイドロライズ)して、アレルギー反応を引き起こしにくくしたフードを選びます。
・成分を限定し、アレルゲンとなり得る成分を排除したフードを選びます。
2.腎臓病
腎臓病の猫には、特に低タンパク質で高品質のタンパク質、低リン、低ナトリウムのフードが推奨されます。これにより腎臓の負担を軽減し、病気の進行を遅らせることができます。
フードの選び方
・療法食: 獣医師が推奨する腎臓病用の療法食を選びます。これらのフードは腎臓に負担をかけないよう特別に調整されています。
・低リン・低ナトリウム: 市販のフードでも、腎臓に優しい低リン・低ナトリウムのフードを選びます。
3.糖尿病
糖尿病の猫には、低炭水化物で高タンパク質のフードが推奨されます。これにより血糖値の急上昇を防ぎ、安定したエネルギー供給が可能になります。
フードの選び方
・療法食:医師の指示のもと、糖質の含有量が少ない、糖尿病用の療法食を選ぶ
・低炭水化物フード: 市販のフードの中から炭水化物含量が低いものを選びます。
・高タンパク質フード: 筋肉を維持し、健康をサポートする高タンパク質のフードを選びます。

“病気になったら食事も変わるにゃ?人間さん、私の健康をしっかり見守ってにゃ!”
4.肥満
猫の肥満は、多くの健康問題を引き起こす原因となります。糖尿病、関節炎、心臓病など、さまざまな病気のリスクを高めるため、愛猫の体重管理は非常に重要です。猫の肥満を防ぐためのエサの選び方と与え方について解説します。

効果的な肥満対策
1.フードの選び方
・療法食:ダイエット用の療法食を選ぶ
・低カロリーフード: カロリーが低く、栄養バランスが取れたフードを選びます。
・高繊維フード: 食物繊維が豊富なフードは満腹感を提供し、過食を防ぎます。
2.給餌方法の工夫
・1日の食事を複数回に分けて与える
・食事用パズルやスローフィーダーを使用する
・自動給餌器を活用して定量給餌を行う
3.運動の促進
・遊び道具: キャットタワー、ボール、レーザーポインターなどの遊び道具を用意しましょう。
・毎日の運動: 毎日15〜20分程度、猫と一緒に遊んで運動量を確保します。
適切なエサの与え方
1.量の管理
・キッチンスケール: 正確に計量するためにキッチンスケールを使用しましょう。
・記録:食事量を記録し、体重の変化と合わせてチェックする
2.時間の管理
・スケジュール: 一日2〜4回の定期的な食事時間を設定しましょう。
・自動給餌器: 忙しい時や不在時には自動給餌器を使用して、決まった時間にエサを提供します。
3.おやつの管理
・低カロリー選択: 低カロリーのおやつを選びます。
・適量を守る: おやつの量は1日の総カロリーの10%以下に抑えるようにします。
猫の肥満を防ぐためには、適切なエサの選び方と与え方が重要です。低カロリーで高繊維のフードを選び、計量給餌を実践し、定期的な食事時間を守ることで、健康的な体重を維持できます。また、適度な運動を取り入れることで、さらに効果的な肥満防止が可能です。愛猫の健康を守り、長く幸せな生活をサポートしましょう。

「ボクのダイエット、ご飯も運動も頑張るにゃ!」
※猫が太る原因と対策について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
猫が太る7つの原因と【具体的な対策】適切なダイエット方法9. 複数の猫へのエサの与え方
複数の猫と暮らすことは楽しく、満足感のある経験ですが、エサの与え方には工夫が必要です。それぞれの猫が必要な栄養を摂取し、健康を保つためには、以下のポイントを押さえましょう。
1.個々のスペースを用意する
猫は一般的に独立心が強く、自分のエサを独占する傾向があります。1猫1食器で、エサを与える場所を複数用意し、各猫がリラックスして食事できる環境を整えます。複数の猫がいる場合、それぞれに専用の食事スペースを設けることが重要です。これにより、猫同士の競争や緊張を軽減できます。
・各猫用のボウルを別々の場所に置く
・必要に応じて仕切りや別室を使用する
・高さの異なる場所を活用し、縄張り意識を考慮する
・外猫と飼い猫にエサをあげる場合、猫白血病ウイルス感染症の防止のため、エサの皿は分け、同じ皿で食べさせないようにする。
2.時間をずらす
エサを与える際に、一部の猫が他の猫のエサを奪うことがあります。全ての猫に同時にエサを与えるのではなく、時間をずらすことで混乱を避けられます。
・猫ごとに5-10分程度の間隔を空ける
・早食いの猫から順に与えていく
・食べ終わった猫は別の部屋に移動させる
3.量を把握する
各猫の年齢、体重、活動量、健康状態に応じて適切な量を与えることが大切です。特に、多頭飼いでは、個々の猫のニーズに応じたエサを用意することが求められます。子猫、成猫、シニア猫用と別々の皿を用意しましょう。
・獣医師に相談し、各猫に適した量を決める
・定期的に体重をチェックし、調整する
・自動給餌器を利用して正確な量を管理する

“多頭飼いは大変そうだにゃ。でも人間さんが頑張ってくれるおかげで、みんな仲良く暮らせるにゃ!”

※複数の猫へのエサの与え方について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
猫も人もハッピーに!【多頭飼い猫の食事で気をつけたい5つのこと】10. エサの切り替え方法
エサの切り替えは、猫の健康や好みの変化、あるいは獣医さんのアドバイスによって必要になることがあります。しかし、急激な変更は猫の消化器系に負担をかけてしまう可能性があります。そこで、スムーズにエサを切り替える方法をご紹介します。
1.徐々に切り替える
猫のエサを突然変更するのは避け、焦らずに、少しずつ新しいエサに慣れさせることが重要です。一般的には、7日間を目安に2-3日ごとに新しいエサの割合を25%ずつ増やしていきます。
1~2日目: 旧エサ75%、新エサ25%
3~4日目: 旧エサ50%、新エサ50%
5~6日目: 旧エサ25%、新エサ75%
7日目以降: 新エサ100%
2.猫の反応を観察する
エサの切り替え中は、猫の食欲の変化、便の状態などを注意深く観察します。嘔吐や異常な行動等が見られた場合は、切り替えを中断し、獣医師に相談することをお勧めします。
3.水分補給に注意を払う
特に、ドライフードからウェットフード、またはその逆に切り替える場合は、水分補給に注意が必要です。ウェットフードに切り替える場合は、水分摂取量が増えることを確認し、ドライフードの場合は水を十分に用意します。
※エサの切り替えは、愛猫の健康と幸せのために重要なプロセスです。焦らず、猫のペースに合わせて進めていくことが大切です。新しいエサに慣れるまでに時間がかかっても、根気強く対応しましょう。

「食べ方が変わったら、ちょっと不安にゃ…でも、ゆっくり進めてくれると安心するにゃ」
※エサの切り替え方法について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
猫の食事、これで完璧!【エサの切り替えとローテーション】で愛猫の健康をサポート11.与えてはいけない食べ物

猫は好奇心旺盛な動物で、様々なものを口にしてしまうことがあります。しかし、人間にとって安全な食べ物でも、猫にとって危険なものがあります。愛猫の健康を守るために、猫に絶対に与えてはいけない食べ物について、解説します。
1.ネギ類(玉ねぎ、長ネギ、ニラ、にんにくなど)
猫の赤血球を破壊する成分が含まれており、貧血を引き起こす可能性があります。
2.チョコレート
チョコレートには、テオブロミンという興奮作用のある成分が含まれています。猫はテオブロミンを分解する能力が低いため、チョコレートを摂取すると、中毒症状を起こす可能性があります。
3.アルコール
アルコールは猫の体内で非常に速く吸収され、わずかな量でも致命的な影響を与えることがあります。
4.カフェイン
コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど、カフェインを含む飲み物や食べ物も猫には有害です。
5.アボカド
アボカドには、ペルシンという猫にとって毒性の強い成分が含まれています。
6.ブドウ・レーズン
ブドウやレーズンは、猫の腎臓に深刻なダメージを与えることがあります。
7.生卵・生肉・生魚・骨
生卵には、サルモネラ菌などの食中毒菌が含まれている可能性があります。また、生肉、生魚、骨には寄生虫が含まれている可能性があります。
8.牛乳と乳製品
多くの猫は乳糖不耐症であり、牛乳や乳製品を摂取すると下痢や消化不良を引き起こすことがあります。
※上記の食べ物は猫にとって有害であるため、絶対に与えないようにしましょう。もし誤ってこれらの食べ物を猫が摂取してしまった場合は、速やかに獣医師に相談することが大切です。

「チョコレート、人気あるけど、私たちにはちょっと危ないんだにゃ」
※与えてはいけない食べ物について、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。
【愛猫の命を守る】猫に与えてはいけない21の食べ物と5つの対処法12.まとめ

1. 猫エサの種類と選び方
猫エサには大きく分けて4種類あります。
・総合栄養食: 猫が必要とするすべての栄養素をバランスよく含んでいる食事です。
・療法食: 特定の健康問題を持つ猫のために獣医師の指導のもとで与える特別なフードです。
・その他目的食: 毛玉対策フード、デンタルフード、皮膚や被毛の健康をサポートするフードなどがあります。
・間食(おやつ): 栄養バランスは総合栄養食ほどではありませんが、猫に喜ばれる味や食感を持っています。
猫エサを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
・原材料と栄養バランス: 高品質なペットフードは、新鮮で信頼できる原材料を使用し、具体的な肉や魚の種類が明記されています。
・科学的根拠に基づいた製品開発: 獣医師や動物栄養学者との協力、臨床試験の実施など、科学的根拠に基づいた製品開発を行っているメーカーを選びましょう。
・製造元の信頼性: ペットフード公正取引協議会(PFFTA)に所属しているメーカーや、定期的に製造工場を視察しているメーカーは信頼性が高いといえます。
・ブランドの評判: 他の飼い主の口コミや評判も参考にすると良いでしょう。
・獣医師の推奨: 獣医師はペットの健康に関する専門知識を持っているため、彼らの意見を参考にすることは有益です。
・価格と食いつきの観察: 価格と食いつきの両方を考慮しましょう。
2. 適切な量と回数
猫に与えるエサの量は、健康維持のカギです。与える量が多すぎると肥満になり、少なすぎると栄養不足になります。
・量の計算方法: 体重(kg) × 30 + 70 = 1日の必要カロリー(kcal)
・必要なカロリー÷エサのカロリー(100g当たり) × 100 = 1日の適量(g)
・回数: 基本的には2~4回が推奨されます。
3. 栄養バランスの確保と水分摂取の重要性
猫の健康を維持するためには、適切な栄養摂取が必要です。
・主要な栄養素: タンパク質、脂肪、炭水化物、ビタミン、ミネラル
・必須栄養素: 必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル
・水分摂取: 猫に必要な1日の水分量は体重1kgあたり50ml
4. フードの賞味期限と保存方法
1.フードの賞味期限
・ドライフード: 未開封: 1年~1年半、開封後: 約1ヶ月
・ウェットフード: 未開封: 2年~3年、開封後: 当日のうちに使い切るのが良い
2.フードの保存方法
・ドライフード: 湿度が高い場所を避け、直射日光を避けて、温度変化の少ない場所で保管する。開封後は空気に触れないよう密閉して保存する。
・ウェットフード: 冷蔵庫で保管し、翌日までに食べきる。
5. 食器と自動給餌機の選び方
1.食器の選び方
・材質: ステンレススチール、陶器、プラスチック
・形状とサイズ: 浅いボウル、広い底面、適切なサイズ
・高さの調整: 高齢猫や関節炎を持つ猫には、少し高さのある食器を使用する
2.自動給餌機の選び方
・容量: 小型猫や1匹飼い: 2-3リットル程度、大型猫や複数飼い: 5リットル以上
・給餌回数と時間設定: 1日4-6回程度の給餌が可能なものが理想的、細かい時間設定ができるモデルを選ぶと便利
・電源タイプ: コンセント式、電池式
・追加機能: 音声録音、カメラ付き、アプリ連動
6.食欲不振の対策
猫がご飯を食べない理由は様々ですが、まずは原因を特定することが大切です。食欲不振の主な理由と対応策を以下にまとめます。
・フードが嫌い・飽きた場合
フードの種類を変えたり、ドライとウェットを混ぜたり、フードを温めたりしましょう。トッピングも効果的です。
・食事環境の問題
食事場所を静かで落ち着ける場所に移し、食器を清潔に保ちましょう。複数の猫がいる場合、それぞれに食器を用意します。
・ストレスや不安
環境の変化が原因で食欲不振になることがあります。猫が安心できる隠れ家を用意し、静かな場所での食事を提供しましょう。遊び相手になることも大切です。
・健康問題
歯や消化器系の問題、感染症、慢性疾患などが原因で食欲不振になることがあります。獣医に相談し、健康チェックを受けることが必要です。
7.エサを吐く場合の対策
猫がエサを吐く原因とその対応策についても説明します。
・早食いや丸呑み
少量ずつ小分けにして与え、自動給餌器や専用のフードボウルを使用しましょう。
・毛玉
定期的なブラッシングで余分な毛を取り除き、毛玉対策用のフードやおやつを与えます。
・食物アレルギー
獣医と相談し、アレルギー検査を受け、低アレルゲンフードを選びます。
・病気
消化器系の病気やその他の疾患が原因で嘔吐することがあります。獣医の診察を受け、適切な治療を行いましょう。
8.健康問題への対応と肥満予防
猫の健康管理において、適切なフードの選び方は重要です。以下の対策を取りましょう。
・アレルギー
アレルゲンの特定と低アレルゲンフードの選択が必要です。
・腎臓病
低タンパク質で高品質のタンパク質、低リン、低ナトリウムのフードを選びます。
・糖尿病
低炭水化物で高タンパク質のフードを推奨します。
・肥満
低カロリーフード、高繊維フードを選び、給餌方法を工夫します。適切な量と時間を管理し、運動を促進しましょう。
9.複数の猫へのエサの与え方
複数の猫と暮らす際には、個々の猫が必要な栄養を摂取できるように工夫が必要です。以下のポイントを押さえて、エサの与え方を調整しましょう。
・個々のスペースを用意する
猫は独立心が強く、食事中にリラックスできる場所を確保することが大切です。各猫用の食器を別々の場所に置き、仕切りや別室を利用します。
・時間をずらす
一部の猫が他の猫のエサを奪うことを防ぐため、猫ごとにエサを与える時間をずらします。早食いの猫から順に与え、食べ終わったら別の部屋に移動させます。
・量を把握する
猫の年齢、体重、活動量、健康状態に応じて適切な量を与えることが重要です。獣医師と相談し、定期的に体重をチェックして調整しましょう。
10.エサの切り替え方法
猫のエサを切り替える際には、徐々に新しいエサに慣れさせることが必要です。以下のステップを踏んで、スムーズに切り替えましょう。
・徐々に切り替える
新しいエサへの切り替えは、7日間を目安に行います。旧エサと新エサの割合を2-3日ごとに25%ずつ増やしていきます。
・猫の反応を観察する
エサの切り替え中は、猫の食欲や便の状態を注意深く観察します。異常が見られた場合は、切り替えを中断し、獣医師に相談しましょう。
・水分補給に注意を払う
ドライフードからウェットフード、またはその逆に切り替える場合は、水分補給に注意します。ウェットフードでは水分摂取量を確認し、ドライフードの場合は水を十分に用意します。
11.与えてはいけない食べ物
猫にとって危険な食べ物は避ける必要があります。以下の食品は絶対に与えないようにしましょう。
・ネギ類
玉ねぎ、長ネギ、ニラ、にんにくなどは猫の赤血球を破壊し、貧血を引き起こします。
・チョコレート
テオブロミンを含むため、猫には中毒症状を引き起こす可能性があります。
・アルコール
少量でも猫に致命的な影響を与えるため、絶対に与えないようにします。
・カフェイン
コーヒー、紅茶、エナジードリンクなども猫には有害です。
・アボカド
ペルシンという毒性の強い成分が含まれています。
・ブドウ・レーズン
猫の腎臓に深刻なダメージを与える可能性があります。
・生卵・生肉・生魚・骨
サルモネラ菌や寄生虫のリスクがあるため、生の食品は避けます。
・牛乳と乳製品
多くの猫は乳糖不耐症であり、下痢や消化不良を引き起こすことがあります。
適切な食事管理は、猫の健康維持と幸せな生活につながります。
飼い主として、愛猫の食事に関する正しい知識を持ち、日々のケアに活かしていくことが重要です。
猫との信頼関係を築きながら、個々の猫に合った最適な食事環境を整えていきましょう。